2015年10月22日

籠鳥にとっての春


籠の中の鳥。

ずっと外の景色を眺め、
「あんな青空を飛び周りたいな」
「ほかの鳥たちと遊びたいな」
そう思ってきた。

大空を飛ぶことなんて無い。
外に出るのは夢なんだと諦めていた。

ある日、猫がギラついた目をして突然現れて、
籠にちょっかいを掛けてくる。
ヤバイ!
身の危険を感じた。

がちゃがちゃ爪を使って籠を揺らす。
ヤメロヨ!
必死に逃げようと羽をバタつかせているのに、
猫は面白がっているかのように
鳥籠をもてあそび横に倒す。

もう後はない。
ニゲナキャ!

開いた鳥籠から猫の隙を窺って一気に飛び出す。
鋭い爪を剥き出しにして飛び掛かって来る。
危機一髪。

無我夢中で逃げた先は青空広がる憧れの世界だった。

ヤッター!
猫から逃げ切った喜びと、
憧れの世界へ飛び出した喜び。
嬉しくて嬉しくてはしゃぎ回る。

気付くと夕暮れが近い。

寝る場所なんてない。
食事もない。
どうすればいいんだろう。
迷ってるうちに太陽は沈み
辺りは暗く何も見えなくなる。

コマッタナ!

気付けば闇に怯え不安に襲われる。
自然と愚痴がでる。

「猫さえ来なけりゃ外に逃げなくてもよかったのに・・・」

あれほどまでに憧れた世界。
どこでどう間違ったのだろう。
籠の中の鳥が恋しくなっていた。




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posted by 岡田昌己 at 19:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 気の向くままに・・・ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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