2010年12月22日

夜店の流れ


境内に続く参道。
にぎやかな人通り。
人波に流されながら前に続いて歩いていく。
はじめて自分ひとりで夜店に来た。

遠くの方で音がする。

射的のパーンという鉄砲の音・・・
おにいさんの威勢のいい掛け声・・・




だんだん夜店に近付いて来るのがわかる。
昨日からずっと楽しみにしてた夜店。
チョコバナナ に りんご飴、金魚すくい に 射的。
あれも食べたいし、これもしたい。
ワクワクしながら流れに沿って歩く。


どこからかすごくおいしそうな匂いがしてくる。

イカの香ばしい香り・・・
焼きそばのソースが焼ける匂い・・・

お腹がぐぅーっと鳴る。




流れの両脇にはもう屋台が出ているはずだ。

でも僕には屋台が見えない。
思うように前に進めないんだ。
「大人の身体って大きいな・・・」

いつもは守ってくれる大人なのに
今日に限っては、行く手を阻む巨大な強敵だ。
「どちらに行ったらいいんだろう・・・」
抜け出せない焦りと、人混みの息苦しさ。


やっとの思いで隙間を見つけた。
「よし!」
そこから抜けようと身体の向きを変える。
でも見つけた隙間には、たばこを持ったまま歩いている大人がいる。
「危ないなぁ。」

次の隙間を見つけた。
「よし!」
今度こそと思い、抜けようとする。
すると目の前には僕よりかなり小さな男の子がいた。
「ここはダメだ・・・」
反射的にその道は諦める。

何度も、何度も、繰り返す。
ここで負ける訳にはいかない。

「だって、お腹すいたんだもん。」
「金魚すくいしたいんだもん。」

ただそれだけのために・・・
何度も、何度も、ぶつかり、揉まれ・・・
それでも硬貨を握りしめ、屋台を目指す。


やっとの思いで抜け出した先に見た屋台は、
赤や、緑や、青のカラフルな
トロピカルジュースが並んでいた。
その隣には、お好み焼き。
その向こうには、わたがし もあるな。
急に視界が開けた気がした。

周りの見えない閉塞感から抜け出したことで
萎えそうだった気持ちも吹き飛んだ。
一端抜けると、あの苦しい流れが嘘のように感じる。
無我夢中で、やっとの思いで外へ出た。
達成感すら感じた。




一気に解放された僕は・・・


満面の笑顔で、焼きトウモロコシにパクリとかじりついた。





posted by 岡田昌己 at 18:39| Comment(2) | TrackBack(0) | 気の向くままに・・・ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
とうもろこしもいいけど
今日は
フライドチキンとイチゴののったケーキと
シャンパンと
それから〜
一人より・・・
Posted by 紫人 at 2010年12月24日 16:31
>紫人さん
今日はクリスマスイブかぁ。
私は今夜、サンタになって子どもにプレゼントを届けます。
紫人さんの所にも、サンタさんが来るといいですね!
Posted by 岡田昌己 at 2010年12月24日 18:33
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